ぼくたちと駐在さんの700日戦争

 

  
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第5話 大応援団(3)


僕たちは、意気揚々と駅からもどりました。
あの「技」のすごいところは「こちらの恥は一瞬の恥、相手の恥は一生の恥」なところです。
今頃駐在さんは、とっても居心地の悪い思いをされていることでしょう。

西条くんが思い出したように言いました。

「ところでさぁ、あの電車、俺も乗んなきゃいけなかったんだけど」

気づくの遅すぎ。

しかし、この帰りの電車を逃がした男はついていました。
なぜ神様がこんな男に味方するのかはよくわかりませんが、僕たちが横断幕を学校に返しに向かう途中で、その神様は現れました。

そう。女神様です。

僕たちが交差点で停まっていると、その向こう側を自転車に乗った奇麗な女性が通り過ぎました。

「あ。駐在さんの奥さんだ!」
「ほんとだ。あいかわらず奇麗だなぁ」

「よし!追いかけろ!」

言い出したのは当然西条くん。
追いかけろって、お前、さっきその人の旦那にさんざんなことしておきながら・・・。

と、僕はその葛藤に悩んでおりましたが、まわりの7名はとっくにダッシュしているのでした・・・・。
でも、おいついたとしてなにをするというのでしょう?

しかし、間もなく奥さんは射程圏内。

「後ろ姿もたまらないなぁ・・・」
確かに。否定はしません。

「俺さぁ・・・」
僕の後部座席(と言うのでしょうか?)で西条くんがしんみりと切り出します。

「俺さぁ・・・もし生まれ変わったら・・・・」

「ああ」


自転車のサドルがいいなぁ」


それって無機物だからっ!
せめて有機物に生まれ変われよ、西条。


やがて奥さんは、スーパーに到着しました。
追いかけて来た僕たちも、用事もなくスーパーへ。
これって集団ストーカーでは?

「あら。あなたたち♡」

「奥さん、こんにちはぁ~〜」
デレデレを合わせて挨拶する僕たち。

しかし、駐在さんは僕たちの話を筒抜けにしています。
はたして彼女が我々をどう思っているかは、かなり疑わしいものがありました。

「ウフ♡ またなにか悪いコトしてきたの?」

「いや・・・・そんな・・・・」

まさかその標的は、またしてもあなたの旦那さんです、とは、とうてい言えません。

しかし、あの駐在さんは、どうやら僕たちのことを、そんなに悪くは言っていないようでした。
それは彼女のそのくったくのない笑顔から読み取れました。

「あ、あのぉ~、おくさん」
唐突に声をかけた西条くん。

「あの、あの・・・」

「なぁに?」

「手首、見せていただいてもよろしいですか?」

げげ!

この大ウツケがぁっ!!!

どこの高校生が人妻の手首を確かめる???

我々は、全員でこのうつけ者をボッコボコに殴りつけ、

「な、なんでもありません!さよーならー」

大慌てでその場を後にするしかなかったのです・・・・・。


  2章-第6話へつづく・・・・駐在さん逆襲の逆襲の逆襲開始。


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第6話 万引き疑惑(1)


逆襲がみごとに成功したとは言え、翌日の登校は、僕にとっては憂鬱なものでした。
なにしろクラスの女子に、自転車の荷台に満載した超エロ本『○○ファン』を目撃されています。
いまごろはきっと、女子の間では、僕はタイヘンなヘンタイとしてウワサになっているに違いありませんでした。

ちなみに僕のクラスは、38名ほどおりましたが、うち24名が女子、というたいへん恵まれた環境だったのですが、今となってはこれがアダです。
つまりはクラスの過半数が「変態扱い」するということなのですから。

教室につき、重い扉を開きました。

その瞬間の女子の凍り付いた雰囲気。

「あ、お、おはよーー」
つとめて明るく、しかし棒読みで挨拶する僕。

いつもはやかましいほどの女子たちは、誰ひとり、挨拶を返しませんでした。
それどころか、ただでさえうっとうしい男子から

「エロ本つんでたんだって?」

などという、いらぬ詮索まで入りまして、それはすでに女子だけではなく、クラス全体の話題であることが分かりました。
この雰囲気は、もう小学校の野良やぎ事件以来でしたねぇ。

しかし、男子がこの質問をしてくれたおかげで、弁解の機会が与えられました。
僕は、知りうる言葉の全てを使って、それが「西条のものである」ことと、駐在さんによって積まれたことを説明しました。が、後者については「おまわりさん」という職業からか、女子はこのことを信じようとしませんでした。

 おまえら、あの駐在を知らないからだ・・・。


ところで、僕達も健全(か?)な高校生ですから、なにも毎日が毎日、イタズラばかりを考えていたわけではありません。ちゃんと高校生としての生活があるわけです。
たとえ変態でサイテーで前科者でも学業はたいせつです。
すでにこの時、我々には中間試験が迫っておりました。

この日から数日後、僕は、西条くんと、村山くんという新キャラとともに、本屋さんにおりました。
言うまでもなく、中間試験の参考書を探すためです。

この日、あの忌まわしい事件がおきました。


 ”おい、西条”

どこからともなく声が聞こえてきました。

西条くんがキョロキョロしていると

 ”おい、ママチャリ”

僕のことをママチャリと呼ぶ人間はひとりしかいません。

するといくつかの本棚の向こうに

「駐在っ!?」

駐在さんは、本棚の向こうからさかんに手招きしています。
今日は制服です。駐在さん。

とっっっってもいやな予感がしましたが、なにしろ相手は国家権力。行かないわけにはまいりません。

我々が、
「なんですか?」
と声をそろえて駐在さんの前に行くと、へんにニヤける駐在さん。

そこはおりしも成人雑誌売り場
ああ、思い出してもいやになりますが、この話には「成人雑誌」がかかせません。情けない。

僕たちが駐在さんの真ん前まで行くと、駐在さんは、

「あのな・・・・」と小声で言うので、思わず顔をよせてしまいました。

駐在さん。
そこで、しめたとばかりに突如僕たちの二の腕をわしづかみにすると、

「お前ら!なにやってる!今日という今日は許さんぞ!」

グイグイと僕たちを店の外へと引きずっていきました!

「な、なんですか?いきなり!」

当然の質問には答えもせず、

「話は署で聴く!」


と言いながら、書店のあるじに会釈などして、我々をとうとう店外へと連れ出したのです。

もう店内は騒然!

そりゃそうです。
高校生が警察に腕をひっぱられて、連れ出されているわけですから。それも成人雑誌売り場。

いや。これってどう見てもエロ本万引きしてつかまったようにしか・・・・・・

  あ・・・・・!


     誰がどう見ても万引きの僕たちの運命は、2章-第7話へとつづく→


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第7話 万引き疑惑(2)
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なにもしていないのに、駐在さんに店の外まで引きずり出された僕たち。
もう店内は騒然。書店の店長さんは、なにごとかと店の外まで出て来ました。

「お、おまわりさん、その子たちがなにか?」

「いえ、こちらにおまかせください。ご心配なく!」

いやいや、ご心配なのはこっちだって!
そんな言い方したら誤解生むやろがー!!

我々のそんな気持ちも無視し、意気揚々と駐在所に向かうおまわりさん。
もう騒ぎは店の中だけではありません。そりゃ商店街を通る人、みんなビックリです。
だって、高校生が2人、おまわりさんに引きずられてんですから。そりゃ、なにごとかと思いますよ。

「テメェー!駐在!はなせ!ボケ!」

西条くんは、犯罪慣れ(?)しているせいか、捕まり方がウマい。
って、感心してる場合じゃないですよねぇ〜。
もう、この商店街歩けません。

幸いと言うか、駐在所は、この書店のはす向かいでしたので、距離はわずかに20mほど。
ふりむくと、書店の店長さんや、店にいた学生たちが、興味津々でこちらを見ていました。


ほどなく駐在所に到着し、

「座れ!」

ああ・・・なんてこのパターンの多いこと。

「テメェ!なにしやがる!」

息巻いているのは西条くん。僕はさすがにここまでの口はきけません。

すると駐在さん。やることをやってすっかり気分がいいらしく、ニコやかに

「まぁ。お茶でものんでけ」

「おちゃぁ???ザケんじゃねーぞ!俺ら、そんな暇・・・・」
と西条がどなっているさなかで

「お~い。加奈子ぉ~、お茶いれてくれ~」
奥さんをよぶ駐在さん。

「はぁ~い♡」
奥から奥さんの声。

「・・・俺ら・・・そんな暇、ありあまって困ってました

おいおい‥‥‥西条。なんで妥協してんだよ?

奥さんがお茶を運んで来る前に、駐在さんがいきなり本論に入りました。

「おまえら、こないだはよくもやってくれたなぁ」

「応援のことですか?」

「ったりまえだ!」

「いやぁ。僕たち、日頃お世話になっている駐在さんに、なんとかエールを送りたくて」

「ふん。エロ本ありがとう、のどこがエールだ? あ?」

そこへ奥さんが僕たちの分と、3つのカップを運んで来ました。

「うふ♡ いらっしゃい。またつかまっちゃったの?」

「はい~。つかまりました~♪」

西条。なにニコニコしてんだよ・・・。
捕まった顔しろよ・・・・。さっきの怒りはどこへいった?

「うふふ♡ はい、どうぞ♡」

「いただきますぅ~~~♪」

すでにヘロヘロの西条くん。
ああ。神様。どうして「男」をこういう動物に作りたもうたのでしょう?

いかんいかん。ここは僕がしっかりしないと!
すっかり駐在ペースで事が運んでいる。

「えっと、ママちゃり君でしたっけ? あなたもどうぞ♡」

「いただきますぅ~~~♪」


   直接対決というのにすっかり骨抜きの僕たち。
   このまま駐在ペースですすむのか?
   2章-第8話へつづく→


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第8話 万引き疑惑(3)


「お前は、もう下がっていいぞ」
駐在さんが、奥さんに向かって言いくさりました。

「あら。どうして?じゃま?」
奥様が、駐在に向かっておっしゃりました。

「オマエのほうこそ奥さんおいて下がれよ」
とは、僕たち2人の強い念でしたが、なにぶんにもまだテレパシーをマスターしていないため、せいぜいそれが満面に出ているだけでした。
むろん、目は口ほどにものを言いますので、駐在さんはそれを感じ取ったかもしれません。きっとスゲー目つきだったと思います。

「うん。俺はこいつらにちょっと説教があるから」

「勝手に万引き疑惑つくって説教たれる警官がどこにいる?」
例によって念力です。

「だって、このコたち、おもしろそうなんですもの♡」

おお!念力が少し覚醒していたか?

「まぁ・・・・。じゃぁ、邪魔するなよ?」
あっけなく折れる駐在さん。
どうやら奥さんに弱いのは、我々2名だけではないようでした。

しかし、奥さん傍観する中、大人げないヤツと大人じゃないヤツが向かい合っているのですから、そりゃ円満な会話がなされるわけはありませんでした。

「お前らのこと、ちょっと調べさせてもらったんだがな・・・」

「はぁ・・・。そりゃ光栄なことで・・・」

なにやら帳面を開く駐在さん。
なんと、こんな「公務ノート」に掲載されてるんでしょうか?僕たち。

「今までも・・・・いろいろとやってやがるなぁ。え?」

「ええ・・・まぁ。生きていればいろいろと・・・」

「ろくでもない、とまでは言わないが」

「はぁ・・・」

「ろくなヤツらじゃないな」

え?六?ん?どっちだ?
ろくでもなくはないが、ろくなやつじゃない?

「うまいですね。駐在さん」
「実はそれほどでもないんですけどね」
謙遜な僕たち。

「褒めてないからっ」

やっぱし・・・?

ここで奥さんがクスッ♡と笑いました。う〜〜む。カワユい。

「お前ら、前任にもけっこう迷惑かけてんのな」

前任とは、この駐在さんが赴任される前にいらっしゃったおまわりさんです。

「え?でも、捕まったのは駐在さんが初めてですが」
と、僕が言いますと
「あ。俺は少しあります」
と、さえぎるように西条くん。
やっぱりか・・・・。

「捕まってなくても報告書はあるんだよ!」

うーん。そうだったのか。

「お前たち、郵便局さんとかにも迷惑かけただろう?」

「はいー・・・・」

これは僕も思い当たりましたので、一緒に返事いたしました。
この『年賀状配達ボランティア事件』につきましては、番外編でまたふれたいと思います。
確かに僕たちは、この町せまし、とばかりに、いろいろ起こしておりました。

「お前たちもな。高校生なんだから、バカなことばっかりやってるんじゃない」

どうやらこれが本論みたいでした。
すかさず
「え?でも大人になってからやったらそれこそバカじゃないですか」

はぁ・・・と、溜息をつく駐在さん。それを見てまたクスッ♡と笑う奥さん。

「あのな。世の中には法律ってもんがある。それくらい習ってるだろ?」

「はぁ。でも、僕たちまだ17条までしか習ってないんで、それ以降のことはちょっと・・・」

ここで奥さんがたまらず
「ぷっ♡」
とふきだしました。

と、そこへ・・・・・

書店におきざりになった新キャラ「村山くん」がおそるおそる入ってまいりました。

「あの~・・・・」

彼は僕たちが書店に置いて来てしまった鞄を持って来てくれたのでした。
と、言うか、真の目的は言うまでもなく奥さんを見るためだとは思うのですが。

駐在さん。村山くんに向かって
「おー。お前も入れ!」

彼は、大応援の際、横断幕を持っておりましたので、どうやら駐在さんには面がわれているようです。

「いえ・・・僕は・・・。これ届けに来ただけですから・・・」

「悪いなぁ。村山。とにかくコイツがさぁあ」
と西条くん。

「コイツって誰だ?本官のことか?あ?」
当然憤慨する駐在さん。

それを無視して村山くんが
「うん。いいんだけどぉ。本屋さん、たいへんなことになっちゃってるんだけど・・・」

「えっ!?」

僕たちは顔を見合わせました。


  第9話へ続く 話はとうとう商店街をも敵にまわす展開へ!


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