わたしは
「ケン坊!」
さけぼうとしたけれど、さっきのパンチが効いていてろくに声にならなかった。
不良たちは、とっさにわたしと姫を囲んで隠した。
「バイパスはどっちだ?アンちゃん」。
と、ケン坊。
「ああ?おっさんよー。ここは一通だぜ。とっとと失せな!」
運転席につめよって、吐き捨てるように言った。
ケン坊。いきなりそいつの頭をわしづかみにすると
ガッ!
ガッ!
ガッ!
ガッ!
ガッ!
しこたまドアミラーに頭を打ち付けた!
ドアミラーはねじまがり、ズルズルと運転席横にくずれ落ちる不良。
額が割れ、血がダラダラと流れている。
どうやら「一方通行」が気に入らなかったらしい。
そいつのせいじゃないのに・・・。
「・・・・なっ!」
不良たちはとたんに身構えたが
「バイパスはどっちだ?アンちゃん」。
ケン坊は、まるでなにごともなかったかのように同じ質問をした。
しかし人数で圧倒的に勝る不良どもは
「てめぇ!おりろっ!」
ワゴンをとり囲んで意気込んだ。
「え?降りていいのか?」
それは、多少なりとケンカに通じている者なら、その場を離れたくなるような気迫だった。
わたしを捕まえていた「筋金入り」だけは、それが読めるらしく、焦った表情をしている。
が、他のメンツはちがった。
「ザケンなよっ!オッサン!」
ひとりがワゴンのドアを蹴った。
次の瞬間。
ケン坊が車を降りた。と思った直後
その蹴った少年が、壁側までふっとんでいた。
壁にしこたま体を打ち付け、そのままズルズルとおかしな格好で落ちたが
ケン坊、そいつの襟元をつかんで
「バイパスはどっちだ?アンちゃん」。
答えない。
気絶しているのだ。
わたしは初めてケンカで「人が気絶する」場面を見た。
が、
「バイパスはどっちだぁああああああ」
その気絶したヤツの頭を壁にガンガン打ち付けている。
むちゃくちゃだ。ケン坊ってば・・・。
こんなんがケーキ屋やってていいの?
この国はいったいどういう基準でケーキ屋の資格を与えているのだろう?
それでもメンツは5人も残っていたので、
「やれ!やっちまえ!」
あぶない!
「ケン坊!うしろ!」
人間必死になれば声が出るものだ。
が、そんな必要さえ、まったくなかった。
「はっほ~~~~~~~~~~」
ケン坊がわけのわからない奇声をあげたかと思うと
ドッ
ドッ
ドッ
みるみる間に、3人がその場に倒れた。
速い!
ケン坊の動きにはほとんど無駄がない。
スタミナでは若い連中が勝っていることを熟知しているのだ。
「バイパスはどっちだあ?アンちゃん」。
「こ・・・ここ・・・バックで出て・・・・」
「バックしろだあああああ?」
ガッ!
ガッ!
ガッ!
だから一方通行はそいつのせいじゃないよ・・・。
わたしから見ると、ひとりを掴まえているときのケン坊は、スキだらけに映るのだが
「う、うりゃああああ!」
そこに残ったメンツが襲いかかると
「はほっほっほっほ~~~~!」
瞬間芸のごとく、倒していく。
つえっーーーーーーー!
こんな映画みたいに強いヤツって、ほんとにいるんだ?
しかも
「はっほ!はっほ!はっほ!」
すでに息も絶え絶えなのに、蹴りをやめない。
倒れたヤツは戦意がないとか、そういうレベルではない。
たぶん、天国のお花畑が見えているに違いない。
あっと言う間に、残りは、わたしたちを掴まえていた筋金入りだけになった。
こいつはさすがに筋金入りのワルだった。
「てめぇ。ざけやがって・・・・・・」。
なんと懐からナイフを取り出したのだ。
「ん?」
とケン坊。
「刃物出したってこたぁ、遠慮はいらねぇってことだな?え?アンちゃん」。
今までは遠慮してたのか・・・。
とてもそうとは思えないけど・・・。
筋金入りは、さすがに場数を踏んでいそうなだけあった。
ナイフを捨てると
「す、すいませんでした!」
あっけなく土下座した。
なのに
「最初っからスナオに道教えりゃいいんだよっ!」
ゴッ!
その頭をいきなり上から蹴り付けた。
土下座していようと容赦がない。
「す、すいません!」
ケン坊は、謝る筋金入りの懐に手を入れると、免許証を取り出し、
「お前。全員起こせ」。
「へ・・・へい!」
ようやく全員が朦朧としたまま起き上がると、
「あのなぁ。アンちゃんたち」。
「な・・・なんでしょうか?」
「うちで新しくケーキつくったんだけど。食べる?」
<本日も2話連続です>
MINT倶楽部 第31話へ→
「ケン坊!」
さけぼうとしたけれど、さっきのパンチが効いていてろくに声にならなかった。
不良たちは、とっさにわたしと姫を囲んで隠した。
「バイパスはどっちだ?アンちゃん」。
と、ケン坊。
「ああ?おっさんよー。ここは一通だぜ。とっとと失せな!」
運転席につめよって、吐き捨てるように言った。
ケン坊。いきなりそいつの頭をわしづかみにすると
ガッ!
ガッ!
ガッ!
ガッ!
ガッ!
しこたまドアミラーに頭を打ち付けた!
ドアミラーはねじまがり、ズルズルと運転席横にくずれ落ちる不良。
額が割れ、血がダラダラと流れている。
どうやら「一方通行」が気に入らなかったらしい。
そいつのせいじゃないのに・・・。
「・・・・なっ!」
不良たちはとたんに身構えたが
「バイパスはどっちだ?アンちゃん」。
ケン坊は、まるでなにごともなかったかのように同じ質問をした。
しかし人数で圧倒的に勝る不良どもは
「てめぇ!おりろっ!」
ワゴンをとり囲んで意気込んだ。
「え?降りていいのか?」
それは、多少なりとケンカに通じている者なら、その場を離れたくなるような気迫だった。
わたしを捕まえていた「筋金入り」だけは、それが読めるらしく、焦った表情をしている。
が、他のメンツはちがった。
「ザケンなよっ!オッサン!」
ひとりがワゴンのドアを蹴った。
次の瞬間。
ケン坊が車を降りた。と思った直後
その蹴った少年が、壁側までふっとんでいた。
壁にしこたま体を打ち付け、そのままズルズルとおかしな格好で落ちたが
ケン坊、そいつの襟元をつかんで
「バイパスはどっちだ?アンちゃん」。
答えない。
気絶しているのだ。
わたしは初めてケンカで「人が気絶する」場面を見た。
が、
「バイパスはどっちだぁああああああ」
その気絶したヤツの頭を壁にガンガン打ち付けている。
むちゃくちゃだ。ケン坊ってば・・・。
こんなんがケーキ屋やってていいの?
この国はいったいどういう基準でケーキ屋の資格を与えているのだろう?
それでもメンツは5人も残っていたので、
「やれ!やっちまえ!」
あぶない!
「ケン坊!うしろ!」
人間必死になれば声が出るものだ。
が、そんな必要さえ、まったくなかった。
「はっほ~~~~~~~~~~」
ケン坊がわけのわからない奇声をあげたかと思うと
ドッ
ドッ
ドッ
みるみる間に、3人がその場に倒れた。
速い!
ケン坊の動きにはほとんど無駄がない。
スタミナでは若い連中が勝っていることを熟知しているのだ。
「バイパスはどっちだあ?アンちゃん」。
「こ・・・ここ・・・バックで出て・・・・」
「バックしろだあああああ?」
ガッ!
ガッ!
ガッ!
だから一方通行はそいつのせいじゃないよ・・・。
わたしから見ると、ひとりを掴まえているときのケン坊は、スキだらけに映るのだが
「う、うりゃああああ!」
そこに残ったメンツが襲いかかると
「はほっほっほっほ~~~~!」
瞬間芸のごとく、倒していく。
つえっーーーーーーー!
こんな映画みたいに強いヤツって、ほんとにいるんだ?
しかも
「はっほ!はっほ!はっほ!」
すでに息も絶え絶えなのに、蹴りをやめない。
倒れたヤツは戦意がないとか、そういうレベルではない。
たぶん、天国のお花畑が見えているに違いない。
あっと言う間に、残りは、わたしたちを掴まえていた筋金入りだけになった。
こいつはさすがに筋金入りのワルだった。
「てめぇ。ざけやがって・・・・・・」。
なんと懐からナイフを取り出したのだ。
「ん?」
とケン坊。
「刃物出したってこたぁ、遠慮はいらねぇってことだな?え?アンちゃん」。
今までは遠慮してたのか・・・。
とてもそうとは思えないけど・・・。
筋金入りは、さすがに場数を踏んでいそうなだけあった。
ナイフを捨てると
「す、すいませんでした!」
あっけなく土下座した。
なのに
「最初っからスナオに道教えりゃいいんだよっ!」
ゴッ!
その頭をいきなり上から蹴り付けた。
土下座していようと容赦がない。
「す、すいません!」
ケン坊は、謝る筋金入りの懐に手を入れると、免許証を取り出し、
「お前。全員起こせ」。
「へ・・・へい!」
ようやく全員が朦朧としたまま起き上がると、
「あのなぁ。アンちゃんたち」。
「な・・・なんでしょうか?」
「うちで新しくケーキつくったんだけど。食べる?」
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「はっほ~」出たあ!
ケンちゃん、やっぱり強いですね‥‥(笑)
2話目も楽しみにしてます☆
ケンちゃん、、、強い
わあ(゜∀゜≡゜∀゜)
一番乗り初めてッ!!
ちょっとびっくりしました。(笑)(*゜Α゜*)
ケンちゃん、あいかわらず・・(笑)
しかも、愛ちゃんたちの存在に気づいてないみたい。
イライラには甘いものですね♪
ケンちゃんのケーキ、食べたい~~♪
ケンちゃん相変わらず強っ!
愛ちゃん危機一髪で助かってよかった~(^O^)
なんだか聞いたような展開ですな
ケンカの後の甘いもんが足りねぇなぁってのと同じような…
変わらないケンちゃんがすてきです
ケンちゃん…、
ソレ、もぅケンカじゃなくて"犯罪"だよ…?★
ケンちゃん変わらね~( ̄◇ ̄;)
つえぇ…
ケンちゃんが出て来ると、ケーキが食べたくなるんですけど…。
久々のはっほ~ですね!怖過ぎるけど…。
ケンちゃんいくつだっけ?
最強のおじさんだな
相変わらず容赦ないな~~
あれで遠慮してたなんて・・・
ケンちゃん、いくつになっても変わらない~!強いっ!!そして容赦ないっ!!
はっほ~久々聞けて嬉しいです
メルヘンカード会員また増えますね笑
「はっほ~」は健在だった~ww
そして決め台詞
「ケーキくわねぇか」ww
ケンちゃん、強さ変わらないなー。。
怖いのに何故か安心します(笑)
二話アップ、ありがとうございます!
ケンちゃん相変わらずだ!!!(笑)
一方通行なだけで蹴るのは横暴だよけんちゃん!!!!
メルヘンカード…(笑)
くろわっサン、こんにちは
今日も2話アップお疲れ様です&ありがとうございます
久々の乱闘シーン(いや、一方的などつきまわしシーン?笑)そしてお約束のケーキ押し売り
パターン通りで、何か懐かしくてホッとしました(笑)
ケンチャン カタギになったんだよねこわ~い
はっほ~のバリエーション増えてる
メルヘンポイント獲得者また増えちゃった
健忘症のケンチャン 愛チャンを思い出すかな
メルヘンって名前が泣きますヨ、ケンちゃん!!!
やっぱ、ものすごぉーーーーーくぅ強い。
最後は新しく作ったケーキ、多分強引に(と言うか、半強制的に・・・)買わせるんだろうしぃ・・・???
からんじゃったM高校の不良さんたち、ちょっと気の毒かもぉ・・・。
良かったネ愛ちゃん、多分楽しい運動で気づいてないかもぉ、ケンちゃん!!!
やっぱ つえー
でも まだ愛ちゃん確認してませんよね
ケンちゃん登場!
いつものオチ!
すごく笑わせて頂きました。
ケンちゃんが出てくるとワクワクします。
ケンちゃん相変わらずですね
これで不良たちもケーキたべなきゃだ~
ケンちゃん、変わってない・・・・・。
思った通りの結末ですね。
やっぱケンちゃん強い
この後お約束のケーキが待っていますね
キターーー
相変わらず怖いですね~
店名メルヘンなのに…真逆…
ケン坊あい変わらずメッチャつよ
やったー!
ケンちゃんサイコー!(笑)
はっほ~~キター!!やっぱりケンちゃんつえー。
ケンカの腕は健在ですね。ケーキを勧めるところも・・・(^_^;)
ケンちゃんの強さは健在ですね!!
そして、やりすぎなとこも笑
これはもしかしてメルヘンカード登場か?
ケンちゃん相変わらず容赦ないですね~さすがだ
このコメントは管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
さすがケンちゃん!
相変わらずの強さですね
このコメントは管理人のみ閲覧できます
ケンちゃん最高っっ!!
バッタバッタと倒れていく不良たちのざまがすげぇ気持ちいいですね♪
はっほ~~
強え~ケンちゃんの顔を知らないとエライ目に遭っちゃうね~
土下座の頭を蹴り下ろすなんて、変わらないのがケンちゃんらしい
ケンちゃん強っ!
力は全然衰えていないようですね・・・。
気絶してるやつの頭をガンガン打ち付けるなんて、流石ケンちゃん。爽快でした。
さすがケンちゃん…。年は取っても奇声とケンカの強さは変わりませんね!久しぶりの「はっほー!」祭りでした。
不良達も相手が悪かったですね^^; 一方通行に入ってきたのも運のツキでしたね(*≧m≦)
2日連続の2話アップ、お疲れさまです&ありがとうございます!!
ケンちゃんの「はっほ~♪」
健在でしたね!
人が殴られたり蹴られたりするシーンって、
見ててあんまり気持ちのいいものではないはずなのに、
ケンちゃんがやってると、ものすご~く楽しい場面に見えてしまうのは何故でしょう?!
さすがぁケン兄ちゃん最高
脳の働きを良くするにゃあ やっぱ糖分ですね。
よっし急いで31話行こう
まさか?
あれか?
ケンちゃん強いよぉ~
かっこいいよ~
「バイパスはどっちだぁああああ」
にはふきだしちゃいましたよ
強いケン坊
そしてケーキを売る…
変わってないね
でも………きっとまだ気づいてなさそうだな……、愛ちゃんに……。
ケンちゃん
メルヘン会員増えたね
うわぁ…。天国のお花畑見えちゃったよ…。
やっぱりすごいね、けん坊…。
はっほ~・・・懐かしいですなぁ・・・
ケン坊は敵に回しちゃいけませんね(・∀・)b
愛ちゃんには気付いてないみたいだけども^^;
ケーキ屋メルヘン大繁盛ですなww
やっぱケンちゃんつえー!
「はっほ~ほっほ~」でたーーーーー!!!!!
で、やっぱり最後はケーキ買わせるのかー
まさかエナメルはいてないですよね(笑)
・・・
・・・まぁ人の質問に答えないのが悪いですよね(笑)
2人目あたりからは「何の為」だったかは忘れてただのレクリェーションに化すんだろうと予想してたけど、まさか最初から「愛ちゃんとは関係無く」戦闘が始まるとは想定外(笑)