<本日、謎解き2話連続です>
「うわーーーーーーーーーーー!」
麻生くんが最初に逃げ出しました。
ひとりが逃げると、恐怖はとたんに増すもので、僕たちもその後を追います。
結局、全員、大声をたてながら現場脱出。
ようやく本堂前まで出て、
「はぁ~~~~。おっかね~~~~~~~」
「な、なんなんだ。ツクシってよ~~~~~」
「あのお地蔵とドッキリさん、関係あんのか?」
コックリさんだって。
しかし奇妙です。
普通、学校の怪談話というのは、ひとつに尾ひれが付いていくものです。
それなのに今回は、何通りもの怪談が、バラバラに、それも脈絡もなく発生しているような気がします。
いずれも原爆ばあさんの怪談が元になっているようですが、
いったいなぜ?
その答えは、目の前にちらばっていました。
「またタバコだ・・・・・・」
「ほんとだ。また来てやがんだな」
前回よりはるかに多い吸い殻。
「こりゃ10人以上いるな」
「うん」。
「少し拾ってくか・・・」
「またかよ・・・」。
一刻も早くそこから去りたい気持ちもありましたが、原爆ばあさんのことを考えると、とてもそのままにしていく気にはなれませんでした。
ところが。
これが大間違いでした。
参道を出たところの道路に、
「こらーーー!きさまらーーーーー!」
車の窓から顔を出しているのは
「げ!工藤・・・」
生徒指導の工藤先生でした。
「きさまら!そこでなにをしていた!」
僕はあわてて、吸い殻の袋を隠しました。
が、先生は、車から降り、
「手に持ってるもの見せろ!」
「え・・・と・・・・・・・」
「見せろと言っとるんだ!」
チャーリーの持っていた吸い殻の袋がとりあげられました。
「きさまら!ここでタバコ吸ってたな!」
「ち、ちがいますよ!」
「じゃぁこれはなんなんだ!」
「掃除してきたんです」。
「嘘つけっ!お前らだろうが!」
「ちがいますって!」
もともと言い分を聴いてくれる先生ではありません。
「明日、全員、生徒指導室に来い!」
これではとんだ濡れ衣。と、思った僕は、
「先生。明日じゃ困ります」。
「なんだと?」
「明日じゃ僕たちの身の潔白が証明できません。今すぐ身体検査でもなんでもしてください」。
「ああん?」
「僕たちは、ここを大切にしているお婆さんにうたれて、吸い殻を掃除してきただけです。タバコを持っているか、今すぐ検査してください!パンツでもなんでも脱ぎます!」
僕の強い口調に押されて、工藤先生が少し冷静さをとりもどしました。
実際のところ、僕は、孝昭くんが本当にタバコを持っていたらと、不安でしょうがありませんでした
が。
「な・・・ないようだな」。
ほ・・・・。
「だから僕たちじゃありません。吸い殻の種類を見ればわかるでしょう?この人数じゃありません」。
「ん・・・ぬぅうう」
立場を失った工藤先生は、
「次はしょうちしないからな!」
捨て台詞を吐いて車にもどりました。
「くっそ~~~~~~!」
「腹たつな~~~~~~!」
まったくです。
しかし、このおかげで、僕には、ほとんどの謎が解けました。
「たぶん、通報したやつがいるんだ」。
「え?」
それは翌日の昼。
実にあっけなくシッポを現しました。
”お昼の放送の時間です。今週は、怪談特集”
「お、バリトンだ!」
「だな!いよいよだ」
ところが。
放送されたのは、僕の渡した「プールの底の霊」の話ではなく、
なんと孝昭くんから聴いたばかりの『笛を吹く少年』の話だったのです。
「バリトン。どういうことだ?」
放送が終了し、さっそく詰め寄る僕たち。
「いやぁ。わりぃ。先輩の原稿が先になっただけだって。君のは明日以降にやるからさ!な!かんべんしてくれよ!」
「先輩の・・・?」
やはり。
<※本日2話連続です。第49話へどうぞ>



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▲16章 目次へ
「うわーーーーーーーーーーー!」
麻生くんが最初に逃げ出しました。
ひとりが逃げると、恐怖はとたんに増すもので、僕たちもその後を追います。
結局、全員、大声をたてながら現場脱出。
ようやく本堂前まで出て、
「はぁ~~~~。おっかね~~~~~~~」
「な、なんなんだ。ツクシってよ~~~~~」
「あのお地蔵とドッキリさん、関係あんのか?」
コックリさんだって。
しかし奇妙です。
普通、学校の怪談話というのは、ひとつに尾ひれが付いていくものです。
それなのに今回は、何通りもの怪談が、バラバラに、それも脈絡もなく発生しているような気がします。
いずれも原爆ばあさんの怪談が元になっているようですが、
いったいなぜ?
その答えは、目の前にちらばっていました。
「またタバコだ・・・・・・」
「ほんとだ。また来てやがんだな」
前回よりはるかに多い吸い殻。
「こりゃ10人以上いるな」
「うん」。
「少し拾ってくか・・・」
「またかよ・・・」。
一刻も早くそこから去りたい気持ちもありましたが、原爆ばあさんのことを考えると、とてもそのままにしていく気にはなれませんでした。
ところが。
これが大間違いでした。
参道を出たところの道路に、
「こらーーー!きさまらーーーーー!」
車の窓から顔を出しているのは
「げ!工藤・・・」
生徒指導の工藤先生でした。
「きさまら!そこでなにをしていた!」
僕はあわてて、吸い殻の袋を隠しました。
が、先生は、車から降り、
「手に持ってるもの見せろ!」
「え・・・と・・・・・・・」
「見せろと言っとるんだ!」
チャーリーの持っていた吸い殻の袋がとりあげられました。
「きさまら!ここでタバコ吸ってたな!」
「ち、ちがいますよ!」
「じゃぁこれはなんなんだ!」
「掃除してきたんです」。
「嘘つけっ!お前らだろうが!」
「ちがいますって!」
もともと言い分を聴いてくれる先生ではありません。
「明日、全員、生徒指導室に来い!」
これではとんだ濡れ衣。と、思った僕は、
「先生。明日じゃ困ります」。
「なんだと?」
「明日じゃ僕たちの身の潔白が証明できません。今すぐ身体検査でもなんでもしてください」。
「ああん?」
「僕たちは、ここを大切にしているお婆さんにうたれて、吸い殻を掃除してきただけです。タバコを持っているか、今すぐ検査してください!パンツでもなんでも脱ぎます!」
僕の強い口調に押されて、工藤先生が少し冷静さをとりもどしました。
実際のところ、僕は、孝昭くんが本当にタバコを持っていたらと、不安でしょうがありませんでした
が。
「な・・・ないようだな」。
ほ・・・・。
「だから僕たちじゃありません。吸い殻の種類を見ればわかるでしょう?この人数じゃありません」。
「ん・・・ぬぅうう」
立場を失った工藤先生は、
「次はしょうちしないからな!」
捨て台詞を吐いて車にもどりました。
「くっそ~~~~~~!」
「腹たつな~~~~~~!」
まったくです。
しかし、このおかげで、僕には、ほとんどの謎が解けました。
「たぶん、通報したやつがいるんだ」。
「え?」
それは翌日の昼。
実にあっけなくシッポを現しました。
”お昼の放送の時間です。今週は、怪談特集”
「お、バリトンだ!」
「だな!いよいよだ」
ところが。
放送されたのは、僕の渡した「プールの底の霊」の話ではなく、
なんと孝昭くんから聴いたばかりの『笛を吹く少年』の話だったのです。
「バリトン。どういうことだ?」
放送が終了し、さっそく詰め寄る僕たち。
「いやぁ。わりぃ。先輩の原稿が先になっただけだって。君のは明日以降にやるからさ!な!かんべんしてくれよ!」
「先輩の・・・?」
やはり。
<※本日2話連続です。第49話へどうぞ>



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イチバンならいいなぁ
工藤のやつはらたつなー!
ちょっ、先輩って
どういうことですか?
先輩ってことは、あの人が!?
先輩?
まさかあの方…?
でも、やっぱり謎は謎のままだぁ
理不尽ですね~
初コメントです
ついでに一番乗り?
こっくりさんと防空頭巾の名前?とても気になるぅ~
(?_?)
皆さんのコメントではっ、と。。
まさかあの時の先輩だけでなくて!?
1番ならいいなぁ~
ってか続きが気になる!謎解き楽しみです!!
まさか先輩って…!?
でも謎は謎のまま
ツクシっていったいなんだろう…
先輩って誰なんでしょう…?
くろわっサン、こんばんは
謎解きで2話連続アップですか寝ずに待ってます
私の学生時代も話しを聞いてくれない先生いたけど
嫌いというよりは がっかりしてたなぁ。。。
突然タイミング良く先生が来ておかしいと思ったら、そういうことなんですね~。
続きがとても気になります
しかし、先輩のイタズラは少々タチが悪いなぁ~。それともそれにも理由ありですかぃ
ママチャリが今すぐに!と身の潔白を証明できてよかったですね~
それにしても、孝昭くんたばこ持ってなくてよかったぁ・・・・・ホッ
先輩って・・・なんでだろ?
先輩って 放送部の部長?
ロッテンさんの孫だったりして
(=°ω°=)
いつの時代も生徒指導部の先生と生徒会の先生って、いい先生ではない確率高くありません?全員が全員そうだとは言いませんが・・・。
センパイってどの???
続きが気になるけど明日早いからおやすみなさい!!
期待して待ってるわ~~
明日、早番何ですが気にせず寝ないで待ってます(≧∀≦)
気になるー♪♪
パンツ脱いだらママチャリくんのツクシがぁ~~~~!
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右京
いや、事前に接点ない感じだったよなぁ…
いるんですよねー
こういう生徒を元から悪と捉える先生...(-.-")
まずは生徒を信じないと!
そして
先輩って誰だろ!?
先輩って誰やろー??
あやうく濡れ衣を着せられる所でしたね…(~_~;)
そのセンは全く考えていませんでした~
先輩って・・・駅前でいちゃもんつけてきたせんぱいだろうか・・・
先輩ってもしかして右京かな?
先輩って部長さん?
彼女がおばあさんと関係あるのかな。
それとも早苗さんが関わってる?
うーん、つづきが気になります。
あそこに近づいてほしくない人が、おばあさん以外にもいるってことですね。
先輩があの場所にいたのか?
バリトンくんまだ一味に加わってる感じじゃないんですね。。
先輩なんか黒いオーラが見えますねぇ笑
えっと…いつの間にか麻生くんからチャーリーに呼び名がタイムスリップしてますよ…怪奇現象か?(笑)
先輩って・・・・
あの、いちゃもんつけてきてた先輩たちでしょうか?
今から急いで続きを読みます!!
しまった…。読むのがかなり遅くなってしまいました。
謎が少しは解けてきた感じですかね。続きをすぐに読みます(*≧m≦)
ピンク…お蘭さんから守ってくれたのに
この騒動には、先輩たちが絡んでるということなのでしょうか…。
次を読みます!!