「あの〜〜、もしもし?」
お色直し?の隙をぬって、2階の電話を借りました。
今更になりますが、孝昭くんの家には、2台電話があり、親子電話*になっています。

(*親子電話=1本の回線契約で、2台の電話を引く方式。番号も2つ持てるが両方一度に使うことはできない。電話契約料が18万円と高額だった頃、田舎での電話の普及に一役買った。
あくまで回線は1本であるため、もう1台の電話の会話を聞くことができた。よく言えばパーティ通話だが、恋人との電話は親につつぬけだった。ちなみに駐在所も2本あるが、住居部は独立しており、親子電話ではなかった)
1台はお父さんの家業、保険代理店名義になっていて、経費で落とせるから・・・
・・・というのは建前でー
看護婦のお母さんの勤務時間が不定期であるのに、娘(早苗さん)にかかってくる電話が深夜に及ぶため、たまらず2台にした、というのが真相のようです。さすがポンコツ家族。
「もしもし?」
酔っているとは言え、あのケンちゃんの監視を逃れて花ちゃんを追うのは不可能。
けれど、花ちゃんの行動は気になります。
なにしろ、もう最終列車は出たあと。おそらくバスもありません。
そんな中、いったい誰をたよってどこへ?
そこで、
「もしもし?そっちに花ちゃんから連絡ありませんでした?」
考えられる「アテ」は2人。
”はぁあ?”
1人は、許嫁であるグレート井上くんの家。
そして・・・・
「とりあえず、早乙女さんに聞いてみようと思って」
”・・・・・その選択はおかしくねぇか?同級生 or ヤクザだったら、普通は同級生にかけるだろ?”
「あ。井上は同級生じゃありません。クラスちがうんです」
”俺にとって、そこの重要度は低いんだがな・・・・・”
「でも、中学の時は、部活一緒でした!」
”・・・・・・・セイガク”
「ハイ」
”ヤクザもんでもな?時間は大事なんだよ。わかるよな?”
早乙女さんは、ご機嫌ナナメです。
「あ!午後9時すぎてるからですね?早乙女さん、9時以降は電話ダメですもんね」
”いや・・・・9時以降がダメっていうのは、俺の都合じゃなくってだな・・・・・・もしもし、聞いてるか?”
「聞いてます。それで、花ちゃんから迎え頼まれてませんか?」
アテがなければ、車を呼ぶしかありません。
”あのな・・・・たのまれてれば家にいないと思わないか?”
「でも、そこ、事務所ですよね?」
”だからそんなのはど・・・・まぁいい。そもそも同級生の女子さがすのに、ヤクザ事務所に電話よこすか?”
「ははは。花ちゃんは同級生どころか、女子校ですよ?」
”そこは、どうでもいいつってんだろ!!”
怒られました。
「そっか・・・・。早乙女さんにも連絡ないんですね・・・・・」
”花っぺ、どうかしたのか?”
そうだ!
早乙女さんなら、ケンちゃんとのことで、なにが起きているのか知っているかもしれません。
”・・・・ケ、ケンイチさんと?”
「ええ・・・」
早乙女さんは、しばらく無言になりましたが
”・・・・・そりゃぁなぁ、セイガク”
やっぱり、なんか知ってる!?
”いや、よくはわかんねぇが・・・・”
”卒業と関わりがあるんじゃねぇか?”
卒業・・・・・!
そうか・・・・。
考えたこともなかった。自分も卒業のくせに。
彼女は・・・・・
花ちゃんは・・・・
”京都にもどるらしいぞ”
「え・・・・・・・」
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電話の契約料、高っ!それと黒電話でも親子電話があったの知りませんでした。
早乙女さん〜〜〜(笑)久しぶりですね。
相変わらずなんだかんだ言いながら相手してくれて、良い人ですよね。
親子電話‼️懐かしいですね。うちは違いましたがおじいちゃんの家が親子電話でした(^-^)
同級生を探すのにヤクザ事務所に電話するとは普通じゃあり得ないですね(^^;早乙女さん以外の人が出たらどうしたんでしょうか?
更新ありがとうございます!
早乙女さん、やっぱりいい人ですよね~
そして、そう言えばありましたね、早乙女さん作成の標語
「子供の電話は夜9時まで」でしたっけ?
やっと話が少し進みましたが
それが、まさか早乙女さんからとは、、、
ありがたいです
コロナ休みで読み始めて
やっと最新話まで読み切った。
大変だと思いますがママチャリさん頑張ってください!!!